機能性表示食品には大豆イソフラボンが含まれているものがあります。きっと何か良い効果があるのではないかと機能性表示食品になっているときには考えるかもしれませんが、どのように機能があるかを知っているでしょうか。
この記事では大豆イソフラボンとは何かについて解説した上で、摂取するメリットについて紹介します。
大豆イソフラボンとは大豆に含まれているイソフラボンと呼ばれるフラボノイド類を指します。一つの物質の名前ではなく、ダイジンやグリシチン、ゲニスチンなどといった色々な物質の混合物で、どれもフラボノイド骨格と呼ばれる構造を持っているのが特徴です。
特に大豆に多く含まれているイソフラボンに該当する化合物群ということで大豆イソフラボンと名付けられています。フラボノイド類には様々な生理活性があることが実験的に確認されていて、摂取するのにメリットがあるのではないかと示唆される結果も少なくありません。
その中でも大豆イソフラボンはよく研究されているフラボノイド類で、機能性表示食品の成分としても認められるようになっています。
機能性表示食品として典型的なのはサプリメントです。大豆イソフラボンを大豆から抽出して乾燥させたものをサプリメントにして販売しているケースでは、機能性表示食品としての許可を得ているものがあります。必ずしも大豆イソフラボンを使用しているからといって機能性表示食品になるわけではありません。
安全性などに関して評価をして許可を得なければ機能性を表示することができないからです。大豆イソフラボンは生鮮食品にも含まれていて、生鮮食品の機能性表示が認められるようになってからは許可を得て表示しているものが増えました。
典型的なのはもやしで、毎年のように新たに許可を取得している事例があります。消費者としても機能性が表示されていると魅力があると考えてくれるため、売り上げを伸ばすには効果的な方法として注目されています。
大豆イソフラボンは結局どのような効果があるのかが気になる人もいるでしょう。大豆イソフラボンを摂取することによってどのようなメリットがあるかは様々な研究によって解明されてきました。
ただ、機能性として表示が認められているものは一つしかありません。骨の成分の維持に役立つ機能があるというもので、丈夫な骨を維持したい人に向けた宣伝文句をつけることが可能です。これは骨代謝と呼ばれる骨の新陳代謝を大豆イソフラボンが促進するという臨床研究が報告されていて、その有用性が認められたからです。
実際には大豆イソフラボンには他にも色々な効果を期待できるのは確かですが、明確な臨床研究の結果と公的な認可が得られていないために表示できなくなっています。
骨を丈夫にしたいという人以外には大豆イソフラボンは意味がないと考えてしまう人もいるかもしれません。確かに公的に認められているのはそれだけですが、メカニズムから考えるともっと幅広い機能を期待することができます。
実際に効果が得られるかどうかはケースバイケースですが、大豆イソフラボンが本当に良いものなのかどうかを見極めるために機能の詳細を確認しておきましょう。大豆イソフラボンは女性ホルモンの一種として知られるエストロゲンと同じような作用を示すことが判明しています。
卵胞ホルモンとも呼ばれるエストロゲンは生理周期に関わるのが特徴で、特に更年期障害の際にはエストロゲンの減少が様々な問題を引き起こします。その一つとして知られているのが骨代謝が低下してしまうことです。他にも顔のほてりや精神的なストレス、抜け毛や肌荒れなどが知られています。
このような更年期障害の症状に対して効果を期待できます。ただ、人に対して臨床試験をして実証し、国にも認めてもらった効果ではありません。あくまでメカニズム的には考えられる結果だという点には留意する必要があります。
また、女性ホルモンレベルの低下によって生理周期の乱れや不正出血が起こることも確認されています。このような生理のトラブルにも適切な量の大豆イソフラボンの摂取が功を奏する可能性もあるでしょう。女性らしい身体を作るのにも良いとされています。
一方、男女を問わずコレステロール値の低下にも寄与するのではないかといった研究結果もあるなど、次々に健康への寄与を示唆する情報が出てきているのが現状です。健康維持のために大豆イソフラボンを摂取するのは良い方法と考えられるでしょう。
このように大豆イソフラボンには期待できる効果がたくさんあるのは確かです。ただ、大豆イソフラボンを毎日大量に摂取するのにはリスクがあるので注意しましょう。食品安全委員会では大豆イソフラボンを安全に摂取できる一日の量を定めています。
一日に摂取しても問題ないとされる上限値はアグリコン換算で70~75mgです。アグリコンとは大豆イソフラボンの母骨格に相当する部分を指します。大豆イソフラボンはアグリコンのみまたはアグリコンと糖から成っています。
その糖の部分を取り除いた重さで評価したのがアグリコン換算量で、例えば豆腐では全大豆イソフラボン量の60%くらいがアグリコン換算量です。アグリコン換算量で70mg少々というとかなり少ないというイメージを持つ人もいるでしょう。
例えば、豆腐の場合には100gあたりに22mg前後の大豆イソフラボンがアグリコン換算量で含まれています。300gのものを一丁食べるともう上限ぎりぎりになってしまうのです。
毎日でなければ多少超えても問題ないという考え方もありますが、注意しなければならない上限量でしょう。また、摂取した全量が体内に入るわけでもないので微妙に摂取量を越えてしまったくらいなら神経質になる必要はありません。
翌日は摂取量を減らすようにしてバランスを取るのが賢明な考え方です。tだ、女性の場合には乳がんのリスクが高くなるとされているので気を付けて摂取量をコントロールしましょう。
大豆イソフラボンは機能性表示食品の成分として認められていて、骨を丈夫にする機能が認められています。大豆に含まれているのでサプリメントだけでなくもやしも機能性表示食品になっているものがあります。骨代謝の向上以外にも色々な効果を期待することができますが、上限量が定められているのに注意して摂取するようにしましょう。
参考情報…機能性表示食品申請 … 薬事法ドットコム